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第15回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2022

7月2日(土)両国シアターX
<第15回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2022>
CDS OSAKA
『記憶の青 ─Microplastics Dance─』
について綴っていただきました🙏

7月2日(土)両国シアターXにて、<第15回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2022>第10組の公演を観劇。
エントリー作品は以下の通り。
(1)西田敬一さん[原案・監修]と山田いづみさん[脚色・構成・演出]が関西勢を結集させたCDS OSAKAの大作『記憶の青 ─Microplastics Dance─』(38分)は、ホリゾントの搬入口からも出入りする開放的なステージ作りと、中央で踊られていく女性たちの群舞とその周囲を壁ぞいにロボット的な動きで歩く男性という具合に、コンテンポラリー組とストリート組のダンスを組合せた構成を工夫しながら、前半では、ブルーの地明かり、波の音、漁師の網にからめとられるダンサーたちなど、「青」や「海」をモチーフにした群舞が展開していきました。
出演ダンサーは、森美香代、SUNJI、ヒペ、田中彩子?ayachu、森井裕子、柳井枝里、山田いづみ、小谷ちず子&Pカンパニー(福原 幸、財津扶美子、山口 優、河野綾夏、今村あやの、澤 侑花、小谷ちず子)ら総勢14人のみなさん。
後半になって、ビニール袋やコンビニ菓子の袋をステージいっぱいまき散らし、大量消費から出るゴミ屑で祝祭的な雰囲気を醸し出したあと、半透明のビニール袋で全身を包んだダンサーたちが再登場、ダンスはタイトルにある「マイクロプラスチック」──(生物物理学的)環境中に存在する微小なプラスチック粒子であり、特に海洋環境において極めて大きな懸念材料となっている──という、踊りにしがたいものを視覚化する方向へと展開していきました。
(2)「武術的ダンス」を標榜されている加世田剛さんの『 light 』(11分)は、女性ばかりのダンスカンパニー“マドモアゼル・シネマ”が定番にしている東京OL物語の男性版といったような作品。
背広姿のサラリーマンが苦情の電話を処理し、事務椅子にすわってパソコンをたたく動きが、リズミカルなパントマイムによって示され、鳴り出すケータイ電話が見つからずさがしまわり、事務椅子を滑らせてダイヴするなど、ワーカホリック気味の男がだんだん壊れていく様子が踊られていきました。
最後に部屋から出ていくところで終幕となりましたが、マドモアゼルのOLたちは、ハイヒールやOL服を脱ぎ捨て、解放された女たちのダンスも踊ります。
(3)芸術祭恒例となっている宇佐美雅司さんの『Listen to the He:art Where is the truth?』は、シャンソンの名曲「枯葉」の作詞家として知られるジャック・プレヴェールの絵本『おりこうでない子どもたちのための8つのおはなし』のなかから、「カモシカたちの生活風景」「ゾウアザラシ」「キリンたちのオペラ」「島にいるウマ」というシュルレアリスティックな4篇を脚本化、人間動物園といった物語の最後に「自由万歳!」のシュプレヒコールを観客に強要するという少々強引なオチをつけた一人芝居でした。
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