YOZIGENZ ヨジゲンズ ブログ

高齢者への健康運動としてのタット

「ヨジゲンズ」の活動

我々は「ダンスチーム(ヨジゲンズ)」「セラピスト」「パラスポーツ指導者」の連携で、高齢者や障がい者への健康運動やリハビリ運動として効果的と考えている「タット運動」を勧めるべく、新しいプロジェクトを進めています。
今は、障がい者へのタットの勧めが目立っていますが、元々は高齢者への健康運動としてのタットを取り入れる活動から始まっています。

タット自体が健康に繋がる

まだ実証はできておらず現場での実感覚でしか言えないのですが
タット自体が健康に繋がるという自信はあります!

タットダンスとは

「タット」と呼ばれるダンスジャンルは、エジプトの象形文字を模倣し直角や四角形を腕や手首を多用し表現するものです。
中でも指をメインで表現するものをフィンガータットと言い、日本ではフィンガーダンスとも呼ばれ多くの芸能アーティストがPVなどで使用したり、最近では若者の間で有名なTik Tokでも人気のある手軽な表現、演出方法です。

タットダンス導入の目的

幼稚園から高齢者施設まで、お遊戯や手をつないでのダンスは多くあります。
あれは本来、ダンスが持つ心理的な高揚感や活性化、リズムに合わせることで同じ心理状態になる友好関係の構築なんですが、それ以外にどのような効果があるのかを調べるためにタットダンスの「取り組みやすさ」また「身体への負荷が小さいこと」から、高齢者施設でのリクリエーションとしてまずは導入することにしました。

高齢者施設でのタットダンス実施の結果

タット運動後の「疲労」や「心肺や筋肉への負担」などの問題は起こらず、総じて好印象でした。
タット運動は座位での運動であるにもかかわらず、動作を大きくする事で心肺や上肢・体幹の筋肉への負担を意識的に大きくする事ができます。

タットレッスン風景

ダンスが持つ心理的な高揚感や活性化、リズムに合わせることで同じ心理状態になる友好関係の構築なんですが、それ以外にどのような効果があるのかを調べるためにタットダンスの「取り組みやすさ」また「身体への負荷が小さいこと」から、高齢者施設でのリクリエーションとしてまずは導入することにしました。

ストレッチ効果と筋強化の効果

人間の両腕は体重の12%(例えば体重50kgなら両腕で6kg程)ととても重く、疲労の蓄積により自然と腕が上がらなくなるなど負荷調整の自己判断がし易くなっています。
以上の事から、立位での下肢を使った全身運動やボールを使った外的刺激の大きな運動に較べると、自分自身でストップのかけやすい安全な運動と言えます。
普段意識的には行わないような「勢いを付けない肩関節周りのストレッチ効果」と「セルフウェイトによる筋強化の効果」もあり、加えて「視覚で模倣するために頭をあげる頭部のコントロール」と「上肢を支持する座位バランスのための大殿筋から上の体幹機能改善」の運動効果も考えられます。

指あやとり

特にこれがお奨めなのですが、複数人で行う指ダンス「指あやとり」では、コミュニケーションの向上、連帯意識の強化など共同生活における精神面の賦活化にも効果が期待できます。
「あやとり」同様、対面する人の動きとペースに合わせる事で、単に見て真似をする脊髄反射だけでなく、高度な再現力と微細な運動調整、互いに触れ合っている手の動きから伝わる非言語コミュニケーションなど、未検証ながら高次脳機能を介した運動野への刺激として期待できます。

まとめと考察

上肢を動かすと支持する体幹コアも鍛えられます。
特に椅子座位での良好な姿勢を保持するため多くの筋肉(広背筋、脊柱起立筋、多裂筋、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)が鍛えられます。
そして肩甲骨回りの可動域拡大により円背防止や僧帽筋の強化が期待できます。

また、安全に巧緻(こうち)性の獲得も期待できます。

左右で「別々の動き」や「連動した動き」による左右の脳への刺激だけでなく、視覚や聴覚や関節からの深部感覚による感覚入力と「ダイナミックな両腕の動き」と「微細な運動調整」といった筋出力により、脊髄を介して小脳と大脳に刺激があります。

総括

感覚器としての手の存在意義はとても大きく、上肢以外の負荷が掛からないにも関わらず手から脳を刺激する上肢のダンスは高齢者の運動として有効であり、最適と考えられます。
また、前腕には手首から先の動きを作り出す前腕筋群の大小20近い筋肉から構成される筋肉群(伸筋群と屈筋群)があり、各筋肉が複雑に共働・拮抗しながら手首を屈曲・伸展・回外・回内・内転・外転させます。

タット運動

「タット運動」はこれらを駆使するため「運動効果」+「感覚器」の刺激として大きな効果があるのはわかっているので、今後も検証を続けます。
また、2018年12月開催「第23回 日本アダプテッド体育・スポーツ学会大会」での口頭発表を実施するなど、今後も認知と実施と検証を同時に進めていきます。

ダンスは楽しい

なによりも、
ダンスは楽しく、音楽に乗って身体を動かすことは心を動かし笑顔を作ります!
これは理屈ではない経験則として我々が一番信じている部分です!

協力していただける施設がありましたら凄く助かります。


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    ヨジゲンズ 代表 高橋俊二
    メール:yozigenz@gmail.com

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