お疲れ様です。
今年のユニークゾーンブレイキンを終えて、色々思うこともありけり。
ブレイキンは世界でもとても珍しいカルチャーです。カルチャーのままオリンピック競技にもなっているヘンテコで魅力的で唯一無二な「何か」です。
僕なりの「他の一般的なスポーツと比べてみることで見えてくるその面白味」について、ちょっと言語化する練習にお付き合いください。
長文です読むのがしんどかったら
保存でもしといて後で読んでください
目次
ブレイキンには「事前決定の正しさ」がない
まずブレイキンは、
スポーツにもなっているのに、審判(レフェリー)がいません。規定演技もありません。
いわば「事前決定の正しさ」が無いんです。
「何をやって良いかどうか」は後付けで決まるから、誰にも止められずどんなダンスでも最後まで踊りきれるのがポイントなんです。
例えば野球なら事前規定的に、テニスラケットで打とうとすれば試合前に止められますよね。しかしブレイキンでは「そんなことをしてはいけない」と審判に止めらることがないので、とりあえず一旦やってみれます笑
その表現について、審査員がダメと思ったら負けにされるし、審査員的に反則だけれども「でもなんか何となく勝ち」と言えば、それでも勝ちなんです
多少あるルールも絶対ではなく。
例えば、後攻と決まったダンサーが先に踊り始めることで会場全体が盛り上がるのであれば、その「ルール違反」が評価されることもあります。
反対に「会場をコミカルに圧倒的に盛り上げたダンサーがジャッジの評価で5対0で負けること」で盛り上がることもあります笑
会場の熱狂と技術評価の両方が存在し、そのバランスの中で勝敗や、勝敗に近い何かの価値が決まっていきます。
曖昧な審査基準が許されるブレイキン
そんな曖昧な審査基準が許されてしまうのがブレイキンというわけで、何を言いたいかというと、、
もしクラス分けや事前ルールが絶対的であったとしたなら、ユニークゾーンブレイキン内で起こった数々の奇跡は事前に止められていたんでしょうねツマラネ
ジャッジの存在が大きいブレイキン
ところで、ブレイキンイベントのチラシを見たことがありますか?選手よりもジャッジの写真がメインなことが多いんです。
それほどジャッジの存在が重要であり、ジャッジの一挙手一投足がバトルの醍醐味の一つにもなり得るスポーツとしては異常とも言える光景があります。
それを成り立たせているのが「ジャッジデモ」。
ジャッジが本当にジャッジに相応しい人物なのかを実際の踊りで証明するという覚悟大きめな文化。
信頼性を実力で担保し、ジャッジが誰に票を入れるかを会場全員によって見守られる中で示すという、、(審査を匿名に扱うことで公平性を保つ一部のスポーツでは到底理解に及ばなない)異常な光景です。
「名選手が審判として正しい訳ではない」というのはスポーツ界では誰も疑わない事実ですが、ブレイキンでは「実力がある人にジャッジして欲しい」という迷文化が根付いています。
多数決で自分が負けたとしても、尊敬する審査員からの1票さえ取れたらむしろ嬉しいということさえも珍しくはありません。
「みんなで公平性を守る」という文化
強いて公平性を保つ方法と言えば、それは組織的に調整するものではなく、会場にいるダンサー・観客・関係者全員が見張っているということ。
もし不自然な判定を繰り返すジャッジがいたなら、その審査員は自然と今後は呼ばれなくなっていきます。
ブレイキンには「みんなで公平性を守る」という文化があるとも言えます。
「勝つことよりも自分らしさが大切」
そのような抽象的な公平性が認められる起因の一つは「勝つことよりも自分らしさが大切」であるということです。
出場ダンサーのほとんどが、勝つためにスタイルを変えるのではなく、自分のスタイルのままで勝つ方法を探し続けています。
「自分らしさを貫かずに優勝を繰り返した者」よりも「自己スタイルを磨く魅力的なダンサー」の方が将来的に審査員として呼ばれることもよくある話です。
ブレイキンとパラブレイキンのルールが同じということ
前置きが長くなりましたが、ここまでの話を踏まえて、ブレイキンとパラブレイキンのルールが全く同じという事実をどう思いますか?
クラス分けもありませんし、障害種別によってルールを変える必要もありません。
障害があって通常のブレイキンバトルに挑む人も、健常者がパラブレイキンバトルに出場する時も、何の変更点も工夫も必要も一切無し。
そんな競技、他にあったっけ?
どちらのバトルもそのまま、一人ひとりが違うスタイルを同じステージ上で対等に評価する文化。
その上ではむしろ人と違う方が評価されます。
「違いを隠さずにプライドを保てる」場所
それは誰にとっても大きな価値ですが、とりわけ「人と違ってしまっている」ことを経験し続けてきた人にとって「健常者に寄せる必要がない」という安心感、「違いを隠さずにプライドを保てる」という安心感。
それがブレイキンの現場なんです。
自分のスタイルを貫くことで勝ち負けとは別の軸の評価を得ることができる。勝ち負けが全てではないので負けても自分らしさを否定されることがない。
僕自身も、何度この文化に救われてきたことか。
ありがとうございます。
UNIQUE ZONE Breakin 2026
写真撮影:貴戸教成
UNIQUE ZONE Breakin 2026
[オドレルブレイクvs Minimum Max]
事前ルールが無いブレイキンだからこそ起こった奇跡連発の(SHUNJIが思う)ベストバウトより








